『サルコペニア』とはギリシャ語で『サルコ=筋肉』『ぺニア=喪失』という言葉の組み合わせです。骨格筋量が減少し筋力が低下する老化現象です。筋力が低下することで歩くことや階段の上り下り、日常生活に支障をきたすことにもなりかねません。
『サルコペニア』になる要因はいくつかありますが、その中でも運動不足と栄養不足が挙げられます。筋肉は年齢とともにその機能が低下します。その理由が運動不足などにより筋肉の繊維が細くなり力が発揮できなくなるのです。しかし、年齢を重ねたからといって筋力の向上や維持が出来ないわけではありません。適度な運動と食事による栄養補給をすることで可能となるのです。
~筋肉の繊維を太くするための適度な運動・トレーニング~
ここではまず運動についてお話します。生活に大きく関わる筋肉は大腿四頭筋、殿筋、腹筋群、背筋群などが日常生活の基盤となる筋肉になります。
加齢により衰えやすい筋肉を鍛えるにはレジスタンス運動を継続的に行うことが大切になります。レジスタンス運動とは筋肉に負荷をかける動作を繰り返し行う運動のことです。
例えば、大腿四頭筋を鍛えるスクワットや腹筋を鍛える腹筋運動、胸筋や上腕筋などを鍛える腕立て伏せなどが挙げられます。
また、日常生活の中でも活動量を上げるために最寄りの店や駅に行くときは車など乗り物を使わずに歩く。エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用する。家の中でもこまめに動くなど工夫することで適度な運動へと変えることが出来るのです。ちなみに、健康マスター検定協会によりますと1日の理想とする歩数は8000歩以上だそうですが、まずは無理なく毎日継続できる距離や歩数を歩くことが大事です。
では、運動を行えば筋肉を太くして『サルコペニア』を予防して健康寿命を延ばすことが出来るのでしょうか?実は運動するのに必要なエネルギーや筋肉を作るためのたんぱく質を得ることが必要不可欠で栄養補給が欠かせないのです。
~筋肉を作るために大切な栄養~
そもそも運動をするためにはエネルギーが必要になります。そのエネルギーも皆さんが食事として得る栄養が素となります。食事をすることはとても大切なことなのです。そのエネルギーを使い頑張って運動した後は筋肉を回復させて太くするための栄養が必要となります。
運動するエネルギーとなる栄養素は炭水化物や糖が主になります。お米やパン、果物に含まれる果糖などです。ただ、炭水化物や糖は取り過ぎると肥満や糖尿病など生活習慣病につながるので注意が必要です。運動をしっかり行い、筋肉を使ったら次は回復させるための栄養が必要になります。
筋肉を回復して太くするための栄養素がたんぱく質になります。たんぱく質の中でも体内で合成することが出来ない良質なたんぱく質が分岐鎖アミノ酸(BCAA)という栄養です。このたんぱく質が多く含まれる食品を紹介します。
・鮭 ・鯖 ・マグロの赤身 ・卵 ・牛乳 ・納豆 ・高野豆腐 ・赤身肉 ・鶏もも肉
・豚ロース など
また、筋肉を作るサポートをしてくれる栄養素に「アンセリン」や「ケルセチン」があります。「アンセリン」は回遊魚のマグロやカツオなどの赤身魚に多く含まれる成分です。「ケルセチン」は野菜に多く含まれるポリフェノールの一つです。両方とも筋肉を作る際にサポートしてくれる大切な栄養素になります。
~最後に~
『サルコペニア』により筋力が低下すると腰痛や膝などの関節痛の要因になり生活に支障が出る可能性もあります。『サルコペニア』を予防するためにはバランスの良い食事と適度な運動を心掛け健康的な生活に努めることで健康寿命を延ばし、自立した生活を目指しましょう。趣味や旅行など楽しみを見つけて活気ある生活を送りましょう。
運動に関するご質問や腰痛、膝などの関節痛にお困りの方は整形外科にご相談ください。皆様の生活をサポートいたします。
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